2015年 01月 18日
侘助椿一枝
一重の小さな椿「侘助(わびすけ)」を一枝活けました。主のいなくなった母の庭から持って帰った清楚な花。茶花によく用いられる花です。器も、遺品となったかなり古い中国の青磁。
艶やかに花が豊富に入ったフラワーデザインも好きですが、その対極に位置する「一枝の花」には心に沁みる美しさがあります。日本人特有の美学ですね。
日本は余白に美しさを見出す「引き算の美」、西洋人は装飾を加えて完成させる「足し算の美」の文化を持つといわれています。例えば、簡素な数寄屋造りと重厚な調度品の並んだ洋屋敷との違い。枯山水とイングリッシュガーデンの違い。水墨画と油絵。
侘助椿をそっと、床の間に置いて眺める。あちらの世界からも見てくれている気がする。日本の美学は、なんだか切ない。
by essence-interior
| 2015-01-18 00:03
| 花・植物