2008年 09月 30日
桂離宮
桂離宮は、江戸時代初期に宮家の別荘として造営された。複雑に入り組む池のある回遊式の庭園に、茶室や書院造の建物が点在する。歩くごとに、石組みや、建物、 植栽の景色が様々に移り変わり、どこをどう切って見ても美しい。日本人の美意識が集約されているように思う。
一番見たかったのは、「松琴亭」の白と藍染めの加賀奉書を交互に張り合わせた市松模様の襖。桂離宮のアイコンのようになっているモダン襖だ。市松と畳や障子、天井の格子の垂直に交わる方形の線が強く凛として見える。実に男前だ。
桂は月の名所の地であり、この桂離宮は、月を鑑賞することを念頭に造園されたそうだ。当時の貴族は、建物を移動しながら月を眺めたという。天空の月のみでなく、池の水面に映った月をも愛でたのだろう。池を見下ろす「月波楼(げっぱろう)」からは、ちょうどこの時期、青葉紅葉が鮮やかに映って見えた。月波楼の襖は、唐長の紅葉の絵柄。
参観は、宮内庁にハガキやネットで予約する。 (前日に宮内庁京都事務所に出向くと、空きがある場合には参観できることがあるので、トライする価値ありです。)
by essence-interior
| 2008-09-30 09:34
| 旅・芸術